膝関節
KNEE JOINT治療
① 保存療法
主に関節への負担を減らす日常生活の工夫、薬物療法(痛み止め)、運動療法(リハビリ)などがあります。特に減量と大腿四頭筋訓練が大事です。
1.関節への負担を減らす日常生活の工夫
- しゃがみ込む動作をなるべく避ける。
- 生活スタイルを和式→洋式に変える。
- 自宅内に手すりを設置する。
- 長時間の歩行や階段は避け、間に休憩をとる。
- 痛みが強ければ、杖を使用する。
- 体重コントロールで負担を減らす。
- 膝の装具を着ける。
2.薬物療法(痛み止め)
- 貼り薬や塗り薬:痛み止めの成分が局所にしみていく。最近は全身の血液中に入っていくものもある。
- 痛みどめ:胃や腎臓に負担かかることがある。
- 膝関節内ヒアルロン酸注入:原則的には1クールで5回まで。
3.運動療法(リハビリ)
関節に負担をかけない運動として、水中歩行やアクアビクスがお勧めです。自宅で簡単にできる筋力訓練として下記に紹介する大腿四頭筋訓練と中臀筋訓練があります。いずれも2〜3カ月毎日続けていると効果がでてきます。
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大腿四頭筋訓練:
大腿四頭筋は膝を伸ばす筋肉で、膝を安定させるのに重要な筋肉です。仰向けに寝た状態で、右脚を訓練する時は左膝を少し曲げて足裏をつけます。右脚全体を20cmくらいあげて5秒数えます。1セット20回で、1日2~3回行いましょう。軽くできてしまうようなら足首に1kgほどの重りをつけてもよいです。 -
中臀筋訓練:
中臀筋は脚全体を横にあげる筋肉で、股関節を安定させるのに重要な筋肉です。右脚を訓練する時は左向きに横に寝た状態で、左膝を少し曲げます。右脚全体を20cmくらい上げて5秒数えます。1セット20回で、1日2~3回行いましょう。軽くできてしまうようなら足首に1kgほどの重りをつけてもよいです。
② 膝周囲骨切り術
歩行時や運動時に膝の軸が内側(O脚)や外側(X脚)に傾いてしまった状態を正常な軸に矯正する人工関節を使わない治療法です。
O脚やX脚になると、下肢への負担が正常とは異なり、摩耗と変形が進行していきます。そのため、脛骨を切って変形の向きを矯正し、痛みを取り除きます。ご自身の関節を温存でき、手術・リハビリ後にスポーツ活動への復帰も可能です。膝を深く曲げられるほど回復している場合は、正座や畑仕事なども可能です。
欠点としては、骨が弱いと骨切りした部分の骨がつくまでに時間がかかるため、手術を行えない場合があることです。また、手術に使用した金属材料は、術後1~2年で抜く必要があります。年数が経って軟骨がすり減ると、人工膝関節の手術が必要な場合もあります。

③ 人工膝関節
変形した膝関節の表面を人工関節に置き換える治療法です。変形性膝関節症の症状が進行して膝全体が大きく変形している、痛みが強く日常生活に支障をきたす場合に手術を行います。痛みの原因になる部位を人工関節で覆うことで、膝痛の改善に大きな効果があります。人工膝関節置換術には「全置換術(TKA)」と「単顆置換術(UKA)」の2種類があり、膝関節全体に痛みがある場合は全置換術を行い、内側だけが痛む場合は部分的に置換を行う単顆置換術を行います。
当院ではロボティックアーム支援による人工膝関節置換術を行っており、より正確に人工関節を設置できます。
- 全人工膝関節置換術
(TKA: Total Knee Arthroplasty) -
正常の膝関節の表面に似た形に設計されたインプラントと呼ばれる人工物に膝表面を置き換え、確実に痛みをとる治療法です。
- メリット
・入院期間が短く手術の翌日から立って歩くことができる
・新しい膝に慣れると痛みが気にならない - デメリット
・自身の膝から人工膝になる
・人工関節には寿命がある(15年〜20年以上経過した後に再置換のリスクが上がる)
- メリット
- 単顆人工膝関節置換術
(UKA: Unilateral Knee Arthroplasty) -
関節のすり減りが「内側だけ」または「外側だけ」の一部手術になるため、膝への負担が非常に少ない治療法です。
- メリット
・手術時間・入院期間が短い
・早期機能回復が見込める低侵襲
・膝関節の動きが温存できる - デメリット
・患者さんによっては対応できない場合がある
・複数カ所を損傷している場合は適用できない
- メリット